<ネタバレ>直線と四角形を中心に構成される、グレーを基調とした無機質な街 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>直線と四角形を中心に構成される、グレーを基調とした無機質な街。そこでは、生垣の緑までもが立方体である。
そこに越してきた少女が隣の老人宅を訪ねると、カラフルな円形のパラシュートが彼女を優しく包み込むシーンがまずは感動的だ。
『星の王子さま』の登場、そして少女の冒険が始まるとともに、放物線や円のイメージがさらに広がっていく。
原作パートはその挿絵のイメージを活かしたストップモーションアニメだが、これが何とも味わい深い。
風に揺れる草葉の動きが一本一本細やかに表現されていて、その手作り風の温もり感覚がCGパートとの対比でより際立っている。
大人の街のダークなムードやビッグアイズなどはティム・バートン風の趣だ。
少女が操縦桿を握る紅の翼が夜の街を飛ぶ。サン=テグジュペリのあの『夜間飛行』の世界がそこにある。