<ネタバレ>ミュージカル風味とか極彩色の美術とか、てっきり三池監督作品と .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ミュージカル風味とか極彩色の美術とか、てっきり三池監督作品とばかり思っていたら、違った。
キャスティングの意外さも後から気づかされるパターンで、そういう意味では後からもう一度見返したくなる作品だ。
この内容なら100分程度に収めて欲しいところだが、やりたい事はとにかく詰め込んだというような潔さとパワーがある。
インコや犬から精子に至るまで、多彩な動物の芝居があり、二転三転する舞台と時空の変化があり、120分越えも苦にはならなかった。
賑やかで毒々しいギャグシーン満載の中、森川葵のヒロインがまさに清涼剤となるが、その約10年後、20年後を演じる宮沢りえは
森川の面影をしっかり受け継いでキャラクターに深みを与えている。
二人のささやかな思い出の場所である、海を見下ろす高台のベンチ。その変わらぬ場所が時の流れを印象づけ、
宮沢のどこか憂いを帯びた穏やかな表情・佇まい・そして何気ない一言一言が、生き残った者の思いを滲ませ、胸に沁みる。