<ネタバレ>冒頭の戦場シーンから一六年前に遡り、そこから十五年後に話が戻 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>冒頭の戦場シーンから一六年前に遡り、そこから十五年後に話が戻る。
デズモンド・ドス氏の信念を裏付ける描写として、父親が参戦した第一次世界大戦のトラウマであるとか幼少期の体験も
語られる必要があるということで、そうした話法がとられたのだろう。
後々、説明的に挟まれるフラッシュバックと共に少々まどろこしくはあるが、前大戦の記憶をダブらせるという意味での時制往還かも知れない。
パンフレットによればドロシー夫人との出会いは実際は教会だったらしいが、病院での出会いへと脚色されたことで、
テリーサ・パーマーの白衣の美しさが際立ったのは勿論、注射針を刺す行為が後々までのモチーフともなる。
同書で相田冬二氏の書くレンガとベルトのモチーフに留まらず、岩山デートやジャクソン基地での登攀訓練、もやい結びのエピソードなども
クライマックスで多重の意味をもたらすだろう。
二人の出会いのシーンでさりげなく仄めかされる野鳥のエピソードも、ラストで崖から宙を渡る主人公へと引き継がれ帰決する、と。
アンドリュー・ガーフィールドの発する「one more, one more」の響きが強く印象に残る。