<ネタバレ>巻頭で波音が響いてきたかと思う間もなく、カーステレオからの音 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>巻頭で波音が響いてきたかと思う間もなく、カーステレオからの音楽がそれに被さる。それはいいとして、
ラスト近くの二人のツーショットでも波音が静かに二人を包んで響いているところに、劇伴を重ねてしまう。
ダイナーでジュークボックスの曲を台詞の代弁として使っているのも直截すぎてかなり野暮ったい。
そこは作品のスタイルからして、二人が共有するメロディの慎ましい追憶であるべきではなかろうか。
随所にブルーを配置した色彩の設計は終始一貫していて統一感がある。
再会した二人の夜、湯を沸かすためのガスコンロが点火され、青い炎がふっと燃え上がる。そのような細部にも色彩が活かされている。
廃屋の窓を開けてくれたマハーシャラ・アリ。レゲエ男への復讐の意を決して自らドアを開け放ちつつ突き進む主人公。
そして彼を受け入れるガラス張りのダイナー、そのドアの呼び鈴のアクセントと、ドアのモチーフも充実である。