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<ネタバレ>冒頭に現れるのは、蒼い瞳の超クロースアップ。『ブレードランナー』冒頭のレプリカント:ロイの蒼い瞳と同じである。
加藤幹朗氏の「『ブレードランナー』論序説」が論考した「超時間的存在」たる蒼い瞳の主の説を踏まえるなら、
本作の真の主人公がマイケル・ファスべンダーの演じるアンドロイドであろうことは早々に明白だろう。
高みから紅茶を注ぐ彼が人間を見下ろす冒頭の位置関係と冷徹な凝視は、冬眠機を見下ろすラストまで映像的な韻を踏み続ける。
その割を食うようにヒロインが魅力を欠いてしまっているのも、至極ごもっとも。
序盤で亡くなった船長の形見らしきものを彼女が結ぶシーンからして、ショットを三つも四つもに分割する無意味さに
ストレスを感じさせられるのだが、これがアクションシーンとなるとさらに乱雑・細切れになるわけでまるで面白くない。
それでなくともショットが無駄に多いのに。
第一作を再見するとショットの持続が明らかに違っていて、サスペンスのタメがまるで違うのだ。