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<ネタバレ>TWAパイロット時代のエピソードがまずは語られる。何を思ったか、自動操縦を手動に切り替え、
機を揺らして乗客を怖がらせて楽しむバリー・シール。
手動⇔自動のシーンはこの後のエピソードでも登場するが、ここでは彼の大胆不敵さ、茶目っ気、
ふと日常から逸脱して刺激を求める彼の性向のようなものを描写したのだろう。
それと共に、安定した人生から自分の腕一つを頼りに波乱の人生を選択していくドラマを冒頭で簡潔に示唆する挿話でもある。
人生の選択を迫られる転換点というべき契機がいくつもあるが、そこで主人公が逡巡したり悩んだり決断したりという描写はほとんどなく、
一呼吸置いて次のショットでは彼はすでに行動に移っているという繋ぎが多い。
場当たり的で選択の余地なく状況に流されているような印象を生むが、そうした巻き込まれ型的な展開が
テンポの良いカッティングと場面転換の軽快さ、そして常に動き回る手持ちのラフなカメラワークと相乗して、
映画の疾走感となっている。
主人公バリー・シールはいわゆるワルであるながらトム・クルーズの好漢ぶりが中和して憎めないキャラクターに仕上がっている。