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<ネタバレ>デヴィッド・ボウイの「キャット・ピープル」のイントロが早々に流れてくるのだが、
その時点で『イングロリアス・バスターズ』の鮮烈な印象のほうが先行して思い出されて、
あれと同じような使い方をするのだろうな、と却って鮮度感を失ってしまう。
既視感が先に立って、スタイリッシュとはほど遠い。
ところどころで角度を弄って奇を衒うカメラや、
幾度も時制を往還してブレーキをかける語り口も少し煩わしい。
回想談にする必然性は一応あるのだが、顔の痣を先に持ってきてしまった為に終盤の一大立ち回りのインパクトが
薄れてしまっていないだろうか。
危険な階段落ちあり、打撃系アクションありで次第に顔面が変形していく壮絶長回しアクションは
舞台空間の立体性が意識されているし、乱闘の中たまたまその場にあり合わせた小道具をアドリブ的に利用しているような
生々しい迫真性があって素晴らしいが、ここだけ突出してしまっている感も否めない。
ジョン・グッドマンはじめとする癖のある俳優の起用や、タルコフスキーのかかるスクリーン、傘のカモフラージュなどの画は面白い。