<ネタバレ>ストーリーは定番化された型に徹して、キャラクターの魅力で勝負 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ストーリーは定番化された型に徹して、キャラクターの魅力で勝負する。
農業の後継についての、遠藤憲一と田中美佐子の慎ましい会話の中から次第に彼らの家庭の事情が見えてくる。
試合会場にそっと置かれた一枚の家族写真が台詞以上のものを語りかけてくるのだ。
自分を押し殺して良妻を演じる広末涼子が髪を染めて清々しい表情で試合会場を闊歩する。
そのいきいきした表情が、彼女の思いを語る。
瑛太と新垣結衣が連れ立って歩くのは、建設途上の高架の作業現場。象徴的な未完成の橋を背景に、作業員のチームが
輝く光のシャワーを降らせて二人を祝福する。また二人のスキンシップもバリエーションに富んでいるのがいい。
そういうさりげなく光る人物描写も其処此処にあって、単に新垣を愛でるだけには終わらせない。
細々した貶しどころも多々出てくるが、一点だけ云うなら、ひたすらアクションで押すべき決勝戦の最中に
スロー処理で幸福論なんぞを語らせてしまう心理主義と迎合性だろうか。