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<ネタバレ>巻頭のシーンをはじめ、ヒロインがカヤックを漕ぐシーンが幾度かあり、中盤のある事件の伏線として確かに強引に機能はするのだが、
それ以上の積極的な意味が見いだせない。人物描写としてもチグハグで、メタファーにもなりきれていない。
ラストシーンもカヤックだが、友人の命を奪ったドローンに対して、「Hello」はないだろう。
終始、血の通わぬキャラクターだ。
ある程度わかりきったストーリーでも画面で引っ張ってくれればいいが、その点
ヒロインの親友役:カレン・ギランの扱いが面白い。
まずは電話音声での登場、入社したヒロインを連れ颯爽と案内していく。
片や壇上でスポットライトを浴び、片やそれを暗い客席から見つめる二人の逆転と対比。
隣り合った個室トイレの中での、二人の交わらない切り返し。
そして暗いベッドの中と、開放的な自然の中、それぞれが小さなスクリーンを介して心を通わせる二人の切り返し。
決して上手い処理とは云えないが、二人の関係性の変化を描写する工夫の痕跡はみえる。
大スクリーンを使ったどんでん返し自体も大したものではないが、
トム・ハンクスとエマ・ワトソンの視線劇がなかなか見せる。