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<ネタバレ>チャップリンの『独裁者』の演説がカメラに正対してのもの(つまり映画を見る観客も含めた聴衆に対してのメッセージ)であるのに対して、ジョン・ボイトのスピーチを映し出すカメラはあくまで語りかけられる海兵隊志願の若者達と、語りかける彼の横顔とが中心となる。
同時に、そこでは無言のブルース・ダーンが軍服を脱ぎ捨て海辺に入水するシーンが対比的にクロスカッティングされ、
その慎ましい寸断によってスピーチは抑制的でより深みのある響きを獲得する。
同時にそこでは波打ち際という古典メロドラマ的モチーフが印象的に補強される。
そのスピーチもこう締めくくる。「there's a choice to be made here.」
これら品のある演出によって、そのメッセージ性も押し付けがましくなることなく心に響く。
全編に流れる歌曲は逆に少し雄弁だが。