駅舎の中、駅員が拘束される画面右手奥の窓に映る「列車の到着」 .. >(続きを読む)
駅舎の中、駅員が拘束される画面右手奥の窓に映る「列車の到着」。または強盗が行われている貨車の側面扉の奥を水平方向に流れていく木々の光景。
画面の前景・後景それぞれに常に動態が取り入れられ、重層的画面は固定化することがない。
原野のロケーションを背景にした列車や馬の疾走、そして車上の格闘はパースペクティブを活かした縦構図の中に捉えられ、乗客降車のモブシーンや、躍動的な群舞シーンは画面を賑やかに活気づける。
林の中を逃走する強盗団の1人が落馬するショット、そしてクライマックスで画面奥の保安隊と手前の強盗団の間で交わされる銃撃戦を延々と捉える固定ショットもアクション性豊かだ。
その乱戦の活劇感覚がとてもいい。
画面のあちこちにに突発的に白い硝煙が広がる瞬間、馬たちが驚き、怯える様はそこにある「音」をも強烈に感じさせる。