<ネタバレ>意欲と技巧の先走った感もあるトーキー初期に比べ、40年代ハリ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>意欲と技巧の先走った感もあるトーキー初期に比べ、40年代ハリウッド期(第3作)の「音」使いは控えめながら要所要所で対位的な面白味を加味して物語を引き立てる。
窓ガラス越しのショットによって、オペラハウス会場の歌声と拍手をロビー側の強盗シーンの騒乱に被せる。または、楽屋裏でのアクションに表舞台の楽曲をオフで被せてシンクロさせるといった部分だが、それら技巧の突出を控える分、魅力的なキャラクター達の造形と話術に力を注いで荒唐無稽な脚本をファンタジックに昇華している。
川に飛び込んだリンダ・ダーネルが、ディック・パウエルのダブダブのスーツを着て自室に帰るシーンあたりから、少々無愛想だった彼女が俄然魅力を放つ。
クライマックスのアクションも空間的な広がりとタイムリミットが活かされ大いに盛り上がる。
そしてラストの雨宿りの幸福感溢れるツーショットはまさにクレール印だ。
冒頭と釣り合う形で、50年後(金婚式)の二人のロングショットにカットバックしたかと思うと、いま一度若き二人の仲睦まじい笑顔に戻る。その魅力的な二人の表情がとても愛しい。
主人公を諭すジョン・フィリバーの柔和な佇まいも素晴らしい。