やたらと顔を出す現代絵画とオペラ、そして変則的「罪と罰」とい .. >(続きを読む)
やたらと顔を出す現代絵画とオペラ、そして変則的「罪と罰」といった小賢しさや、登場する人物も含めたこの映画を形作る浅くて薄っぺらなオブジェが、ストーリー以前に映画のいかがわしい雰囲気を見事に成立させている。ロンドンを底とした鋳型にはめ込まれる典型的なブルジョワ家族、魅力的な女優志望の女、そして元テニスプレーヤーで野心に満ちた(そうでもないか)主人公、彼らは自分の役柄を逸脱する事はない。観客を試すようないやらしい面を持っているとも言えるが、冴え渡った演出の巧みさに唸らされること間違いなし。スカーレット・ヨハンソンのファーストショットは堪らないでございますよ。