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<ネタバレ>「ジェリー」や「エレファント」とまるで突然変異したかのように怪作を世に送っているガス・ヴァン・サントの新作「ラストデイズ」は、やっぱりジェリった(?)映画だった。「砂漠」、「学校」、「森」とガス・ヴァン・サントが向き合ってきた風景の変遷も興味深い。主人公の背中か側面をひたすら追い続ける視点は3作に共通しているが、「ラストデイズ」でのそれは、演じるマイケル・ピットがまるで幽霊のような歩行で、意味不明のつぶやき(これを字幕にする必要はあっただろうか?そこだけが不満)を続けている。意志とか目的みたいなものがなく、ただ歩きそして死んだように洋館にこもる。カート・コバーンの物語はここにはない。マイケル・ピットのアクションは、カート・コバーンの死という特殊性から遠くはなれる。「ラストデイズ」は、伝記映画が陥りがちな「事実関係>映画」の構図から回避し、むしろ映画の中に事実関係を包括してそれを新たなイメージとして表出する。そして終盤マイケル・ピットが曲を演奏するシーンでそれは一気に爆発する。