<ネタバレ> 日本の昔が侍だけの世界でなかったように、アメリカの西部開拓 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 日本の昔が侍だけの世界でなかったように、アメリカの西部開拓史というのは、ガンマンだけの世界ではない。むしろ、農地開拓の歴史が、アメリカを西へ押し広げたのだという。この映画は、最後に悪漢をカッコよく倒して、颯爽と去ってゆくガンマンをヒーローとして描いているように言われるが、実はその大半が、自ら耕す農民の正義と、新旧の世代の戦いを描いている。
シェーンは自分が銃で物事を解決する時代の側の人間であることを自覚して、それから抜け出そうと農民の社会に生きようとするが、結局は辺境の治安維持の不備によって、力を行使せざるを得ない状況に陥る。
彼がカッコイイのは、自らを傷つけながらも、新世代を無垢のままに守ったからだ。スターレットを直接守ったのはもちろんだが、その目の前で人を殺してしまったジョーイ少年を、銃の世界に引き込まぬようにか、一家の前から去るその潔さ!
それにしてもライカー、インデアンから土地を守ったという、彼の言い分にも一理あると思ったが、やり方がダメすぎたな。
【追記】
何でもWikipediaによれば、ラストシーンに関して、シェーンの生死の議論があるそうで…。そう言われてみると、ラストのシェーン一人のカットは、モノクロかと思うほど色調も暗く、死を暗示させる。が、シェーンは馬を操っているし、何よりこれがシェーンの死を表現しているとしたら、わかりずら過ぎるし、悲しすぎる。