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<ネタバレ> 劇場で見た時には、おいおい泣きました。そりゃあ、泣きますよ。余命を宣告されて、精一杯に生きようとする若者や、妹に角膜を提供する兄の物語など、見せられたら。しかし、よくよく考えてみると、不治の病によって余命あと何ヶ月、とかいうよくある感じの物語とそんなには差はないような気がして、ずっと気になっていた。
この映画は、この異常な法律とその考え方について、ごく控えめに将来において法律をなくすと、語るだけで、そのほとんどの時間を使って、余命宣告された人たちの感涙物語を一所懸命に語る。その物語に涙して「感動した。泣いた。命の素晴らしさを見た。」という私のような観客は、実は物語中の女議員候補者の言う、国繁法支持者の視点と同じである。観客を巻き込んだこういう構造を、観客自身に突き付けているとしたら、そこにこそ映画のメッセージがあるとしたら、これは実に毒のあるすごい映画だと思う。が、多分違うんだろうなあ。