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<ネタバレ> この映画に対する不満は、全てここに描かれる生き残り策への、倫理的な嫌悪感に尽きる。物語の中の行動に、文句を付けるのは野暮というか、神に文句を言うくらい無意味だと、最近思い始めてはいるが、それにしてもこれを作った人たちの倫理観が透けて見えるようで、反吐が出る。
私の感覚では、最後に「助かった!生きててよかった!メデタシメデタシ」とする物語では、その過程で重大な倫理欠如があったら、ダメだ。つまり、命のチャンスや権利をカネで買うという方法論は、NGだ。
腹いせのように人間の王の姫を誘惑して産ませた子に、戦いを押し付けて、最後メデタシメデタシとした『タイタンの戦い(2010)』を思い出す。
実際、自分は興奮冷めやらぬ「劇場鑑賞直後バイアス」がかかっているはずの時点ですでに、「ケッ、オレはあの船に乗れない組じゃねえか!」と思わずにはいられなかった。(今、Goolgle先生に教えてもらったら、一人あたり1027億円だそうだ)
つまり、誤解を恐れすに、この映画を一言で言うと、終わりよければ全てよし、である。…いいのか?