<ネタバレ> 我々日本人は、万物に霊が宿るなんて考えている、と言われてい .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 我々日本人は、万物に霊が宿るなんて考えている、と言われている。霊とまでは言わずとも、モノには思いがこもっている、くらいは普通に考える。
だから、いつの間にかモノを忘れ去ってしまうもの、それはこもっている思いそのものを忘れてしまっていることだ。
そんな忘れてしまったモノを取り戻す、異世界での大冒険。主人公は、仕事ばかりで家庭をホッタラカシている父に、反抗心を持っている女子高生、遥。彼女が、一時期忘れてしまっていた母親の形見を取り戻す話だったのが、本当に無くしていたのは途中で出会った人形コットンをくれた父親への気持ちだった、という結末が良い。童話として実に望ましく好ましい物語だと思う。
ただし、若干文句をつけるとすれば、異世界での事件の内容が、狐の人間社会への進出などではなく、ホッタラカシの物というテーマに沿ったものだと、もっと良かったのだが。
また、失せ物にご利益がある稲荷、というだけの伝承から、実は失せ物の犯人が稲荷だったと発想したのはスゴイ。その物を異世界で活用するっていうのもオモシロイんだけど、ちょっと例の借りぐらししている人たちを思い出してしまう。
もうちょっと対象年齢を上げると、いつまでも昔の思いに引きづられていないで、前を向いて吹っ切る思い、なんていう展開もあるんだろうが、それは劇中でのお父さんの領分か。女子高生にはまだちょっと、だな。
っていうか、対象年齢的に主人公は、小学生か中学生あたりが良かった気もする。
全体的には、子供に見せたい童話アニメーションとして、大変に良作だと思う。アニメーションは第一義的には子供のものだ。