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<ネタバレ> 銃撃戦と格闘戦というチカラワザでお宝の前まで来る男を、私は「ルパン三世」とは認めない。
チンケな格闘戦の世界観。本作への不満点は、この一事に尽きる。製作者たちは、いわゆる「アクション映画」を作りたかったのかもしれない。だが、ルパン三世という作品の本質はアクションではない。
彼は「神出鬼没の大泥棒」である。神出鬼没と真反対なのが、今回やった正面突破ではないか。
得意の変装と賢い頭脳を使ってどれだけスマート(人を傷つけないことだ)に美しく人を騙して、お宝を手に入れるか。これがルパン三世に求められているものだと私は思う。
そうでないのならば、ドンパチや殴り合いの映画を作りたいのであれば、ルパン三世というキャラクタと舞台を借りるべきではない、と言い変えることも出来る。
人の盲点をつく、錯誤を利用する、人間と人間の勝負的な部分が面白かったはずのルパンの今回の作戦がコンピュータハックだというのも、いまどき工夫がなさすぎで、ガッカリ。
だがしかし、演じた人たちは良くやったと思う。特に小栗は「生身のルパン三世」がいたとしたら、こうであろうなあと、思わせるルパンっぷりだ。
次元大介も峰不二子も、マンガっぽくならずにちゃんと人間になっていた。五右衛門に関しては、演者のせいではないがあまりにもマンガのキャラで、今回は出さ無い方が良かったのではないか。元々途中参加なのだし。