<ネタバレ>原作未読。
冴えないおじさんがヒーローの物語というのが良い .. >(続きを読む)
<ネタバレ>原作未読。
冴えないおじさんがヒーローの物語というのが良い。対する憎悪の超人は超イケメン。どうしたっておじさんを応援したくなるよな。理不尽な不幸(まあ最初のうちだけだけど)に見舞われたイケメン君が憎悪の念を抱き日本人に復讐するのを、人を救うことに使命感を燃やすおじさんが阻止しようとして戦う。謎の生命体によって、超高性能のロボットに改造された二人の戦いっぷりの、スピード感と迫力が凄い。
しかし、おじさんの戦う理由としての「もう誰も殺すな」と「家族を守る」というのは、もちろん分かるのだが、イケメン君側の「理不尽な不幸と権力に対する怒り」というのが、日本人皆殺しに転換する理屈がイマイチ理解できにくいというか、怒りが伝わらない感じがする。この辺が真っ直ぐぶつかる様な物語を期待してしまうのだが、本作は青年が妙に乾いていてそれゆえ、敗れたとはいえまだ生きているという状況(だよね?)なのに、ケロリと友人宅に現れたりする(私らの世代的に言うと)シラケた感じが、若干ノリを削ぐ。
ちなみに「いぬやしき」というのは、この人の名前らしいが、つまりは「ウルトラマン」とか「月光仮面」とかいうヒーローの名前をタイトルにした伝統的形式と考えていいのだろうなあ。実際にはそんな名前はないだろうと調べたら、犬屋敷はないが猫屋敷はあるらしい。世の中には驚くことがまだまだあるなあ。