<ネタバレ> 第一作目のゴジラは、一作目にして完全な映画だった。モンスタ .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ> 第一作目のゴジラは、一作目にして完全な映画だった。モンスター映画としての映像も、核兵器批判としての表現も、そのアイデアも。
省みて今までのガメラは、怪獣映画としては、ほぼ完全だったが、ゴジラのように高尚そうなテーマが無いように見えた。その部分に手を出して、大失敗してしまった。と言うのが私の解釈だ。映像的には文句ないし(事に京都駅の映像はスゴイの一言だ)、自衛隊関係の描写も安定のリアルさだ。
だが、「巫女」とゲームクリエーター(こんなのが、政府関連の仕事を?)周りの物語の陳腐さは何だ?この男は、古代人についての想像とつまらない終末論を言うためだけの、他に何の役にもたってない登場人物で、同様の巫女と共に、居なくてもなんにも困らない役だ。この、マナというものとそれによる厄災の話で、地球環境的なテーマを語りたいのかもしれない。が、描写が足りなすぎだし、なにより結末が暗すぎる。あの二人の件を全部カットしたら、もっとマナと厄災、ガメラの物語が描けたろう。
それと、冗談のネタとも言える「正義の味方に踏み潰された人」という設定で描かれる、ガメラへの復讐の物語は、米軍と基地周辺住民問題に通じる、更に厄介な問題で、何かと同時に描くほど簡単な問題ではない。欲を出しすぎだ。
絶望的な暗さの結末については、そういう物語も当然アリだが、前二作の爽快感とあまりにも違いすぎて、戸惑う。
異論はたくさんあるとは思うが、怪獣映画は第一義的には子供のものだと思っている。そういう意味では、もうちょっと救いのある、というか明るい未来を信じられる結末を観たかった。見せたかった。ガメラが守るに値する未来を。[良:1票]