<ネタバレ> 観終わって96分しか経っていないのが、信じられないくらいの .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 観終わって96分しか経っていないのが、信じられないくらいの充実さ。テンポよく描くというのは、こういう事なのか。それでいて急いだ感のない筋運び。見事である。
溜池で釣りをするシーンののんびり感、夜の追手との斬り合いシーンの静寂感、こういったものが、実時間以上の時の流れを、感じさせるのかもしれない。いや、それだけじゃなく、オープニングタイトルの間にも、ちゃんと盲目の市をみせるなど、見せ方も上手い。
物語の方は、やや類型的だが、市がわらじを脱いだ縁ある貸元と、その抗争相手との話。市と対照的に相手側親分一家の客人となった剣豪と、妙に心通わせつつも、戦わざるを得ない二人の生き方を描いている。
対照的な構造の中にいる、対照的な二人の対比も面白いが、この映画の魅力は何と言っても、市のキャラクタだ。
盲だが人には優しい、めっぽう剣の腕の立つちょっと小太りの市。人気出るわけだ。ヒーローのセオリー通り、追いすがるヒロインを振り切って、一人去ってゆくのもカッコイイ!
もう一人の剣豪は、なんと平手造酒。昔の演歌歌手の、少なくとも二つの歌で知られている。彼の話は映画にもなっており、いつか見ようと思って買っておいた、橋本忍脚本のものを、そろそろ見てみよう。