<ネタバレ> しかし、自分のやり方が通用しなくて、後から来た若者がどんど .. >(続きを読む)
<ネタバレ> しかし、自分のやり方が通用しなくて、後から来た若者がどんどん認められてゆく状態というのは、キビシイものだ。客観的な優劣がない代わりに、人々の支持という形で現れる類のモノでは、なおさら辛かろうと思う。
そういう人が、次々と成功する後続を見つめ続けるこの物語は、タイトルがイメージさせるほど若く明るいものではない。むしろ「寺田の苦悩」ともいうべき物語に見える。…まあ、そうは言っても描写が淡白すぎて、彼がどう葛藤しているのかいないのか、分かりにくい事は事実。
そうかと言って、トキワ荘に住む若者たちの群像劇だといわれると、ちょっと視線が寺田に寄り過ぎている。
つまり、何を描きたいのかがよく分からない。正直、あのアパートで見たいものは新しい漫画のムーブメントを作った若者たちの話であって、道半ばに倒れた若者の話をではない。それをするするなら、別の素材もしくは成功側の若者を排除した視点でやるくらいの「絞り込み」が必要ではないだろうか。
それと、暗転が長い。多い。物語に無関係な、昔の写真の時間がもったいない。セリフが聞き取りづらい。