<ネタバレ>王室に生まれたものの宿命。
人々の注目、視線。
見られる .. >(続きを読む)
<ネタバレ>王室に生まれたものの宿命。
人々の注目、視線。
見られる者の切なさが、素晴らしいカメラワークで淡々と描かれていきます。
カメラと人物の距離が実に良い。
ヨーク公が不幸な場面でもカメラは視線を外そうとせず、じっと見続けます。
最初は他人事のように見ている私が、次第に物語にはまって行きます。
あたかも隣ではらはら心配して見ている錯覚におちいります。
そしてカメラは国民も忠実に映し出します。
スピーチに期待し、しかし落胆であったりあきらめであったり、庶民の素直な感想もしっかりと伝えます。
今だったら録音して再生という手が使えますが、そのころは大変だったのだなと。
しかし逃げられないからこそ、成し遂げられ充実したのかもしれない。
王の誠実な人柄と、先生や夫人の素晴らしい助力によって、ここまでやりとげられたこと。
静かにじわじわと、私の心をしっかりとつかみました。
ジョージ6世は素晴らしい王であったと知ることが出来ました。
もういちど見直したい秀作。