どんよりと垂れ込めた霧の中、主人公の姉と弟の心も、そして私の .. >(続きを読む)
どんよりと垂れ込めた霧の中、主人公の姉と弟の心も、そして私の心もまた晴れない。
オープニングから突き放すような映像、しかし、そこから目を離すことは出来ない。
くすんだ色使いの画面は、ひとつひとつが絵画のように印象的。
映された風景と人物がとが、あたかもキャンパスに切り取られたように感じられる。
その芸術性の高さ、奥深さで私を魅了する。
アンゲロプロス監督の完璧ともいえる感性と才能には、ただ感心するばかりです。
観終わった今、私自身がこの作品について完全に消化しきれていないもどかしさがあります。
理解しなければならないのか、感性を研ぎ澄まさなければならないのか・・
迷う心と、私の観たそのままで良いと思う心とが、交錯しています。
力(ちから)のある作品に出会えて嬉しい。