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<ネタバレ>うわぁ~これまた完全に増村映画になっている。何とストレートな愛情表現、男も女も全くもって嘘が無い。愛する者のためになら一緒に死ねる。これぞ増村映画らしい男と女の本物の愛、主演の二人、宇崎竜童の徳兵衛と梶芽衣子のお初の二人の眼には常に相手の姿が映し出されている。全くもって視線を離そうとはしない。徳兵衛のお初に対する愛が痛すぎるほどに壮絶なシーン満載です。徳兵衛の「俺が愛した女、可愛いと思って抱いたきた身体に傷が付けられるものか!」というあの台詞こそ男の哀しさ、辛さ、愛というものが何もかも伝わってきて泣けてくる。心中シーンも悲しくもあるけど、美しくさえ思えてしまうほどこの二人にしか理解出来ないようなやるせなさ、悲しさというものを増村監督は容赦なしに遠慮することなく描き切る。この監督のそんなストレートなまでの愛の描き方はどの増村映画を見ても同じであり、今作の二人の血塗られた本物の愛に感動さずにはいられない。ただあまりにもみんなして、熱すぎる演技に少しぐらいは生き抜きも必要かと思ったりもして、いずれにしてもこれは、いや、これもまた増村映画!増村保造というこの監督にしか描けない男と女の愛の世界!主役の二人以外にもどこまで嫌な奴ぶり全開の二人、橋本功と左幸子の悪人ぶりも強烈です。なにわともあれ、本当に悲しくも切ない男と女の物語である。増村映画はけして、万人受けする映画ではないし、好き嫌いがハッキリと出る。分かれる映画きりだと思うけど、私はこの監督のストレートなまでの感情表現、愛情表現、ぐいぐいと引き込む力強い演出、大好きです。この監督の作品に一度でもはまってしまうともうやめられません。