<ネタバレ>加藤泰監督のシャープな映像美、そこに山田洋次監督が構成に加わ .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>加藤泰監督のシャープな映像美、そこに山田洋次監督が構成に加わっているという点に注目して観るとこの二人の監督さん、間違いなくフランス映画が大好きでたまらないというような気持ちと男と女の身勝手さ、犯罪に手を染めてしまう者の過去、加害者と被害者のそれぞれの過去というものが人間の持つべき勝手な部分とが恐ろしく描かれていて何とも考えさせられる。見ていてもけして、楽しい。面白いなんて気持ちにはなれない。サスペンス映画という一応、形式上はそうかもしれないけど人間は如何に駄目な生きものなのか?ということを言いたいような内容である。犯人役の佐藤允の演じる川島にとっては自分に対して唯一、愛情を注いでくれる優しい女性である春子(倍賞千恵子)は妹のような存在だったに違いなく、倍賞千恵子の春子ってもう明らかにこれは翌年に撮られて寅さんシリーズのさくらを意識せずにはいられません。春子の過去、両親を失ってるという点、山田洋次監督が脚本に加わっていることでその他にも寅さんに出てくる俳優が何人も出てきたりとこれで渥美清がいたらと思わずにはいられなくなります。それにしても音楽の使い方が「男と女」そのまんまみたいなのはどうなのか?あの映画もけだるい感じがしたけどこの映画も犯罪映画であり、日本映画だけどフランス映画独特のけだるさが全編に漂ってまいります。[良:1票]