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<ネタバレ>「活きる」というまずはこの邦題を付けた人に私は素晴らしい。感謝の気持ちでいっぱいになる。どんな厳しくて、貧しい中にも人間として生まれてきた以上、精一杯生きる。生きること、それがすなわち「活きる」ことにも繋がる。この映画で描かれている人間の生活、苦難にも立ち向かわんとばかりに一生懸命な人々、博打でボロボロになりつつある駄目な夫を支える妻、コン・リーの厳しさと優しさとの両方がきちんと描かれている。それも偏に主演の二人の演技力があればこそ観ていて伝わるものがある。娘の結婚を祝う場面での二人のあの優しそうな笑顔、表情、そして、そんな二人の表情につられるように周りの人間も同じく表情が和らいでいて何だかとても優しいこれこそ人間の温かさ、チャン・イーモウ監督の心の温かさを見せてもらっているようです。それにしても駄目な夫を演じているグォ・ヨウがどんどんと素晴らしい父親へと変わって行く様子を見事に演じ、更にはそんな夫を支えるコン・リーの演技は凄い。やはりこの人、今、アジアでナンバーワンの女優さんだ!コン・リーの凄さ、素晴らしさについて少し語らせて貰いたい。どんな役でも見事に演じきる。そして、何よりもオーバーな演技、自分を良く見せようとか、私は女優なんだよ!どうよ?美しいでしょ?みたいな所を全く見せつけない。抑えた演技、それは日本で言うならば高峰秀子という女優に当てはまる。表情にしても滅多には変えずに、ここぞという時のみ、表情を変えて演技する。中国版、高峰秀子です。なんだかんだと色々書いてみたが、これは正しくタイトル通り「活きる」映画!コン・リーの逞しさ、強き母こそ人間のそして、世界共通の母のあるべき姿ではないでしょうか![良:1票]