長編小説の映画化であるが「ストーリーテリング」が全て。天才的 .. >(続きを読む)
長編小説の映画化であるが「ストーリーテリング」が全て。天才的な巧さ。
例えば初めの葬儀屋アメリゴ・ボナセーラの懇願シーンだけでドンの権力、性格、ファミリーの構造全てがわかってしまう。
一見華やかな結婚式シーンの中だけでソニー、フレドの性格、トムの仕事、マイケルの立場といった重要な事柄を説明じみること無く華やかなままに全て伝えてしまう。
そして華やかな結婚式のシーンの後にジャック・ウォルツの恐怖のシーンを挟みファミリーのやり方を衝撃的に実践して見せてくれる。
全てのシーンが「ストーリーテリング」の役割を果たし、しかも無駄が無く面白い。
セリフの無い「間」であってもそれはただの間ではなく何かを意味しているのである。
だからこそ長い映画でも全く長さを感じさせない。
小説の映画化とはこうやるのだという完成度で、小説を超え、そして映画という枠組すらも超えているとすら思わされる歴史的な作品。