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2年後に大戦勝を扱った日本海大海戦で東郷と乃木という陸海の2大偉人を演じる三船と笠が、敗戦映画で阿南陸相と鈴木貫太郎首相を演じているのが皮肉に思えた。史実を扱った歴史物で高い構成力と迫真の映像で理解するだけではなく楽しめ、それもハリウッドにはないタイプのエンターテイメント大作と評価できるが、ただ唯一鼻につく点が、まるで反乱軍の連中を気が狂った狂乱者のように描いていることだ。彼らが罪を犯したのはもっと作戦行為に基づくものであったと思えるのだ。そもそも彼らは軍人であり、しかも洗脳的と言ってしまっていい教育を受けていたのだから、狂信と狂乱は違うことを区別しなければならない。まるで彼らが(気狂いかのような)異常なテンションで、逝ってしまっている目をしていたように描くのはやりすぎである。確かに陸軍の考えは今思えば完全な暴走であるが、彼らは本気で勝つつもりいたのだ。彼らを異常者だと非難するのは筋違いで、そもそもそのメンタリティが無ければ日清戦争にも日露戦争にも負けていただろう。[良:3票]