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<ネタバレ>◆不幸、不幸の連続で、途中何度か休憩を入れました。この重い話を二時間ぶっ続けで見るのはなかなか難しいです。◆ただ、丁寧に撮られていることは良く分かりました。主人公夫婦の老いの過程もちゃんと描いていたし、娘には三人もキャストを用意していて、家族の人生をちゃんと描きたいんだなとわかりました。◆それにしても不幸続きでまいります。でも、唯一笑ったのが先生が饅頭をのどに詰まらせたことについて回想しているシーンです。「マントウはお湯につけると7倍に膨れ上がる、先生は7個のマントウを食べたから、49個のマントウをお腹に入れたことになる。」との主人公の台詞に、僕は爆笑しました。◆このことは結構大事で、この作品に一貫して言えたことは、「起こった不幸について主人公達が嘆き苦しむ姿というのはあまり映さず、すべて不幸が起こった数年後に『過去の出来事』として、その不幸を顧みている」という点だと思います。これはおそらく、「どんなに不幸な出来事で傷ついたとしても、時がたてばだんだんと癒えるんだよ」という監督のメッセージで、だからこそ「活きる」価値があるんだと教えられたような気がしました。おそらく、「マントウ~」の台詞が悲劇直後に使われていたら、爆笑はしなかったでしょう。数年後に、顧みるかたちでこの台詞が語られるからこそ、悲劇を笑い飛ばすことができる。そしてそれは、活きているからこそ味わえる、そう思えた作品でした。◆チャン・イーモウは時間の使い方や登場人物の生かし方が抜群にうまい監督であることがわかり、ファンになってしまったので8点を献上させていただきたい。