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<ネタバレ>◆僕はチャン・イーモウが好きになってしまいました。◆話としてはシンプルだが、若干ダラダラしている。先生の性格もあまり共感できるものではなく、なんのために生徒を探しに行ったのかよくわからない。◆しかし、それらを差し引いても、この作品は良かった。中国の貧富の格差、教育状況、さらには教育の本質といったテーマを中心として、子供達の可愛らしさや、街の人々のまだ残っている良心を暖かい視点から描いている。◆特に良かったのは、街に行った少年を迎えに行くために、バス代を子供達みんなで計算するシーン。ただ教科書の内容を写すのではなく、実体験に基づく問題をいかに解決するかを考えることこそが本質的なのだ、という監督の教育観が伝わってくる。また、ラストシーンで一人ひとりが色とりどりのチョークを使って一文字漢字を書くシーン。けっして感動を誘うような演出はしていないのだが、子供達の文字を書くときの筆圧や、笑顔、漢字の意味、読み上げる声などが絶妙に折り合わさって、見ているものの涙腺を緩める。◆チャン・イーモウの教育観、人柄、それから中国に残っている温かさ、子供達の可愛らしさ、それらが融合して一つの素晴らしい作品ができあがっている。8点を献上させていただきたい。