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結構評判よくないみたいですが僕はかなり見入ってしまいました。皆さんご指摘の通り、4箇所で展開されるストーリーをライフル1本で(しかも日本人ハンターのもので)つなぎ合わせるというのにはちょっと強引な気がしました。しかし、この話は伝えたいことが伝わらないことの悲しさと、空しさとやるせなさの話ではなく、そうした人間が人間であるが故の障害みたいなものを「愛」などと称されるいわゆる人を思う気持ちによって乗り越えることが出来るというメッセージを込めた、非常に力強い作品だと感じました。それは、兄のために銃を捨てた弟の「愛」であったり、妻を思う夫の「愛」であったり、他人の子供のために必死に車を探しに行くベビーシッターの「愛」であったり、その彼女を抱きしめ、受け止める息子の「愛」であったり、父をかばおうとして刑事に嘘を付いた娘の「愛」であったりするわけです。そうした描写がただただ問題を丸投げするに留まらない、見事なたくましさをこの映画に与えていて、鑑賞後には何故か涙を流してしまいました。ただし、21グラムよりはよくなかったし、前年のアカデミー賞作品賞受賞作「クラッシュ」に似た部分が多々あったことから、やはり作品賞の受賞はありえなかったのではないかと感じました。でも、まぁ駄作「ディパーテッド」よりはかなりいい作品であることは確かです。それにしても、菊池凛子の演技がそれほどまでに素晴しいとは思えなかったのは気のせいでしょうか??確かにブラット・ピットを食っていましたけれども、それはあくまでも役柄の強烈さに由来するものであるのではないかと思いました。ということで、彼女の助演女優賞受賞がかなわなかったのも納得でした。