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<ネタバレ>ピーター・ベンチリーの原作は、憎しみの要素が強い。主人公のブロディはサメだけでなく、町のお偉方や、仲間のフーパーとも対立する。サメはブロディに不幸をもたらす者の象徴でもあった。映画の方では、町との衝突はそのままに、「サメ狩り」が核となって、よりエンターテイメントに徹している。原作の方は読んでいてうやむやするのと興奮するのが交互にやってくる感じだったが、映画はひたすら興奮し、楽しかった。サメ狩りのプロフェッショナル、クイントが戦時中の思い出(サメにまつわる)を語るシーンがある。原作にはないシーンだが、とても印象に残り、すばらしいと思った。「サメの目は白目がなくって真っ黒で、感情がねえんだ」とかなんとか。終盤、その「真っ黒い目」がドーンと沈んだ船に現れる。その瞬間、クイントの言葉を思い出し、サメがさらに怖く見える。 ラストも、どうしようもなく暗い終わり方の原作と違ってすがすがしく吹っ飛ばしてくれてとても満足。映画として、エンターテイメントとして、各要素がすばらしくバランスをとっている映画だと思う。だからこんなに有名なんだろうなあ、と。