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<ネタバレ>ディズニーやジブリも悪くないけど、何か変わったアニメが見たいと思ってる人はズッポリハマりそうなル・モンド・ド・ショメ。 デフォルマシオンを駆使して描かれる斬新なキャラクターやデザイン、ジュネ好きは確実に好みと思われるディテールのこだわり。 言葉でなく絵で表現するべく作られたこの作品はアニメーション本来の面白さに満ち、月並みな感動なぞ無用とばかりわが道をゆく。 巨船やべルヴィルの偉容、四角い男たちの合体、手塚風のボスの変形。 BELLEVILLE(美しき街)=デブばかりのハンバーガーの国アメリカとキツーイ皮肉、孫には犬のエサ同然の食事しか与えぬばあちゃんにファストフードは食わせず、姥三姉妹が発破で仕入れたカエル料理が口にあうフランス賛美。 電車にトラウマのある犬をタイヤにしたりと結構ブラックなんだけど、あまりグロくないのも結構。 目立たないけど不屈の精神で孫を救出しに行くばあちゃんの愛情と意地も根底にあり、最後のスローチェイスでは競輪賭博装置(?)が帆かけ船のよなエレガンス、歌手ばあさまの手動カーブがイカス。 粋に流れる音楽に心おどり、スモーキーな色が目に快く、見るほどに味の出るレアなフレンチ・アニメ。 8年後の「イルージョニスト」が美しくかつ至極マトモな作品であるのを考えると、ショメにとっても二度と作りえない世界かもしれない。