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<ネタバレ>「ロミ&ジュリ」の舞台ヴェローナから、ジュリエットへの半世紀前の手紙(邦題が「への」ではなく「からの」になったのは、その方が字面がよいからでしょう)がもたらしたイタリア・シエナへの旅。 アマンダ・サイフリッドは「マンマ・ミーア!」と同じソフィという名で、明るい南国の光の中にいるのが似合います。 2人の男性のうち婚約者の方が名の知れた俳優で、最初感じわるい英国人チャーリー(おっきな瞳のソフィと一緒にいると目が小さく見える~)は伏兵にしたいようですが、ソフィの心移りも自然に感じるほど後半の彼の軟化は好ましい。 「ロミ&ジュリ」のような一目ボレとちがい、当初イガみあっていたのが友人となり、そして…という彼らの時間をかけた関係は信頼ぬきでは成り立たない友情で裏打ちされ、婚約者との情熱だけの関係より確かなものに。 もう一人のヒロイン、クレアの恋の方が「ロミ&ジュリ」的ですが、彼らの関係は時間に侵食されなかったよう。 ヴァネッサ・レッドグレーヴは、娘の一人ナターシャ・リチャードソン(リーアム・ニーソン夫人)を亡くした直後とは思えないほど明るく穏やかな表情が魅力的ですが、持ち前の気丈さに加え仕事にうちこんだ方が悲しみを忘れられると思ったのでしょうか。 イタリアの輝く黄金色の陽光を存分に浴び、若い俳優からエネルギーをもらい、イタリア人パートナー(白馬の王子様はあの人!)とも共演できて、無理を押して今作に出たことでレッドグレーヴ自身も大きな力を与えられたのかもしれません。 見た人を幸せな気持ちにし、観客だけでなく演じる人たちも同じように至福だったのでは、と思える作品でした。[良:2票]