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<ネタバレ>コンパクトな活劇になった巌窟王。 ファリア神父(リチャード・ハリス)のいるシャトー・ディフの場面は活気があり、ここを出てからの後半も期待させるが、3人の悪役をフェルナン(ガイ・ピアース)1人に焦点をしぼるなど大筋だけとしてもあまり盛り上がらない。 エドモン(ジム・カヴィーゼル)よりフェルナンが目立ってしまうのは、カヴィーゼルが線が細くて品がよすぎるからか。 エドモンは復讐心に燃えギラギラした感じがなければそれらしくない。 脚色の中でも、メルセデス(ダグマーラ・ドミンスク)の息子アルベール(ヘンリー・カヴィル)の父親をフェルナンではなくエドモンとした改変は大きいが、両刃の剣ともなる。 お腹の子のため恋人の仇と知らずにフェルナンに嫁いだ彼女は不実ではなく、エドモンは息子を得てメデタシメデタシとなるのだが、取り返しのつかない歳月の象徴であるアルベールの出生に手を加えたことで、物語自体も軽くなってしまった気がするのだ。