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<ネタバレ>面白い。テレビは見ておらず、原作も未読だが、原作が面白いのだろう。【ネタバレ注意】天才対天才という筋書きで、どちらかがミスを冒したわけでもなく(気になる点はあるが)、ちゃんと話が展開していく。役者もいい。柴崎コウの無駄かげんも許容範囲。ただ、本筋に関係ない冒頭のシーン、登山のシーンなど、やや冗長に感じる部分はある。またストーリーとしては、2日続けて午前休みしたことが気になる。「日頃と違う」ことはアリバイ作りにはマイナスになるはずで、(結局自分の犯行を露呈させる)2日目はともかく、(無関係なはずの)1日目は無理してでも朝から出勤すべきだっただろう。実際、そうすれば湯川に気づかれなかった可能性が高い。そうなっては話にならないだろうが、「かつては容姿を気にしなかった石神の変化」から展開させてもよかったかもしれない。それを言ったら、最初から死体を見つからない場所に隠してしまえば失踪事件で済んでいただろうし、富樫の経歴を調べたら別人であることがばれそうな気もするが。しかし、冷静なはずの石神が結局…と思わせる展開が、うまく回収されているのは見事。四色問題の解決が「美しくない」というのもさりげなく高いポイント。花岡靖子の自供がなければ、石神は「自分の才能を活かして最愛の女性を幸せにした」という幸せな気持ちを持ち続けて生き続けることができ、花岡親子も幸せに生きられたのであろう。石神は、花岡靖子が感じていた重圧を理解しておらず、それが招いた最悪の結末というラストもよい。