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<ネタバレ>佳作だと思うがストーリーが地味。『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『あの夏で待ってる』など、好きなテレビアニメシリーズの長井龍雪監督の青春群像劇というので制作発表があった頃から期待していた。特製前売券なども買い、初日舞台挨拶も見に行ったクチだが、予告を見ても、特番を見てもあまりワクワクする感じがなく、結局その印象のままの映画だった。少なくとも本作品に対する周囲の期待は大きいはずで、同監督の過去作(『あの花』)の実写ドラマが作られたり、本作の声優がカメオ出演していた。そもそも深夜アニメのキャラにありがちな赤い髪や青い髪は封印され、みな黒髪になっていたことから、コアなアニメファンだけでなく一般向けアニメを狙っていることがわかる。それでもなお、ちゃんとプロの声優を使っていて(テーマ曲はアイドルソングになってしまったが)、成功を願っていた。フジテレビとしても、あわよくば本作品をアニメ大作としてヒットさせたかったんだと思う。だが難しそうだ。【超ネタバレ注意】(ゴールデンタイムに放送して家族で見られるかはともかく、少なくとも映画館で見る分には)導入部はよかったと思う。だが、4人の主人公たちがそんなに“いい奴”じゃない。だからってリアルな印象もないから感情移入しにくい。とくに最後、あんな逃げ方したらダメだろうし、どう考えても間に合わないよ。告白もやりすぎ。そこまでのハッピーエンドは要らん。お互い、別の相手に声を掛けたばかりじゃないか。せいぜい、振られて落ち込んでいる者どうしが、たまたま気持ちが落ち着いたところで互いの存在に気が付きハッとする、程度で抑えておくべきだろう。