<ネタバレ>良作。でも“ポン”デミックは起きないと思う。【ネタバレ注意】 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>良作。でも“ポン”デミックは起きないと思う。【ネタバレ注意】「カメラを止めるな!」が「三谷幸喜を真似したら三谷幸喜よりも面白くなってしまった事故のような映画」(町田智浩評)ならば、本作はいかにも上田慎一郎監督らしい映画だと思う。そして、上田慎一郎監督らしいとかネタバレ厳禁というだけでもネタバレになりそうな映画でもある。「カメ止め!」の二番煎じとは言わないが、要するにメタフィクショナルな構成になっていて、中盤くらいにはオチが予想できたし、その後はそういう気持ちで鑑賞していた。そうすると、いわゆる都合のよい、あるいはムリのある展開にも納得できるし、「カメ止め!」みたいなトラブルが起きていない分、“すべてが作りモノ”として理解できてしまう。当て書き(演じる役者を想定して脚本を書くこと)の効果はすばらしく、どの役者も役にピッタリな感じはあったけれど、ストーリーは“いい話”どまり。脚本や演出で役者を光らせる上田監督の、メタフィクショナルを脱した作品が見たい。【重要なネタバレ注意】兄をヒーローと慕う弟が事業で成功していたお金持ちで、電気代の支払いにすら困窮する兄のメンタルな問題を解決するために大芝居を打つというストーリー。設定の小芝居は300万となっていたが、それにしては大がかりな芝居(脚本+人数×日数)だったのはさておき、それを含む大芝居の方はセミナー会場や旅館を借りたり、その受講生やら教徒、グッズなども含めて相当大がかりであり、軽く数千万レベルはかかるだろうという内容になっている。兄思いの弟ではあるんだろうが、私が貧しい兄の立場だったら「現金でもらえた方がありがたい」と思うだろう。最後の「結局、病気は治らなかった」というオチがよかったので、7点。