人と会って話をする時、大きく分類すると三つのシチュエーション .. >(続きを読む)
人と会って話をする時、大きく分類すると三つのシチュエーションがある。〝立ち話〟〝お茶する〟〝食事する〟だ。その中で〝お茶する〟というのは〝食事する〟ほど込み入った話をする訳でなかったり、相手の名前すらあやふやな関係だったりするが、〝立ち話〟ではなんだという時に折衷案のように存在している微妙にしてどこか心地良いシチュエーションである。本作にもそんな心地良さがある。そして煙草やコーヒーが癖になって、もう一本もう一杯とおかわりするように話が続いていくが、同じ話の続きは見せてくれない。一つの話をあれ以上引っ張ってしまうと〝食事〟になってしまうからだ。コーヒーと煙草はそんな〝お茶する〟時間の代表であり、話の一つが英国らしく紅茶とビスケットだったようにそれ自体に深い意味がある訳ではないのだと思う。さしずめ日本の場合、らしさを出せば日本茶&煎餅か梅干といったところだろう。…何だかにわかにお年寄りっぽくなってしまうのだが。何にしてもゆっくりとした時の流れの中で観たい作品だ。