<ネタバレ>公開当時、話題になっていたので劇場まで足を運んだのだが、はっ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>公開当時、話題になっていたので劇場まで足を運んだのだが、はっきり言って気に入らなかった。合成ばかりが目に付いたしアメリカ的だと思ったし、何よりフォレストの対比として悲惨な人生を歩まされるジェニーの描き方が嫌だった。だが月日を経て何度か見返すうちに気に入るようになり現在ではDVDも持っている。・・・と、前置きはこれぐらいにして・・・・・・人生哲学をファンタジックに描いた本作はシンボリックな描写が非常に印象深い。〝走ること〟もその一つで〝生〟の象徴として捉える事ができ、フォレストの人生の転機が〝走り〟によって持たされるところなど微笑ましい。さらに興味深いのがダン中尉の描き方で、死を願う彼の両足を奪い、落ちぶれた姿で凍った坂道を転げ落とす。人生の歩みを止めた彼に課せられた試練を表しているようである。だが神様と仲直りのシーンで彼は一人で泳ぎ、最後の登場シーンでは小奇麗な姿で自らの足で立つ。赤信号から青信号へと変わり人生を再び歩み始めたことを体現させるあたりが寓話的で面白い。ダン中尉を演ずるゲイリー・シニーズは悪役を得意とするが「二十日鼠と人間」でもそうだったように聖なる愚者の守役が実によく似合う。