原作は見てません…その上で。
平穏の日常世界。 .. >(続きを読む)
原作は見てません…その上で。
平穏の日常世界。
銃声も硝煙の匂いも…
エイリアンも、アンドロイドも出現しない世界。
そこに現れた少女は全てが異端。
映画を物語と捉えるか?
それとも…
心に影響を与える現実の一部として捉えるのか?
それで、この映画の評価は大幅に変わるだろう。
もし、現実と捉えるならば、だ。
我々は、決して鮎喰響という異端を失ってはならない。
このくだらない無菌室を作り上げた世界の希望。
それが鮎喰響なのだ。
もし、文学というものが単なる文字列の世界ではなく、
人の心の深淵や喜怒哀楽を表すものならば…
まさに人間の魂、命を燃やすものであるならば、だ…
文学の天才である彼女は、人の魂の形を汲み取る異端者。
と、同時に人と人の心の繋がり方に、一石を投じた天才でもある。
彼女の異端の軌跡に刮目せよ。
彼女が静かに怒る時…
彼女が子供のような笑顔で喜ぶ時…
彼女と関わった人達は、どの様に変化していったか、を。
それを見逃すと、この映画の真価を見誤り、鮎喰響を見失うだろう。
もう一度言う。
鮎喰響という異端を失ってはならない。