<ネタバレ>原作が大好きだったんで、楽しみにしてました。「ベタなお涙ちょ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>原作が大好きだったんで、楽しみにしてました。「ベタなお涙ちょうだい」が原作の持ち味なので、「どこかで聞いたような泣かせる話ばっかり」という評に対しては「だってこれが『三丁目の夕日』だもん」と超肯定的な態度で応えるしかない気がします。しかし、過剰な詰め込み映画になっちゃった、という部分に関しては、たしかに納得がいかない部分で、「もうちょっとスマートに作って欲しかったな」と思います。それにしても町並みの再現は素晴らしいです。舞台装置がきっちりしているから、それらしい空気感が生まれる。だから原作好きとしては「詰め込みすぎ」であっても許せてしまうのです。また、鈴木オートや茶川先生の性格・人物像や、六ちゃんが女の子という、原作とまったく違っている点は、映画へのローカライズとしては実に見事な判断だったと思います。映画ならではの世界観が生まれていて、観ていてすごく楽しかったです。役者陣もほとんど文句なし、です。とくに堤さんの短気で熱いオヤジっぷり、小雪さんのライトで深い色気、堀北さんの熱演は素晴らしかった。吉岡くんだけは「酷い」というほどではないですが、ちょっと微妙でしたが……。とにかくいい映画です。物語としてのまとまりに欠けていたのはたしかで、満点は無理ですが、原作ファンとして、かなりの高得点を付けていいんじゃないかと思いました。