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<ネタバレ>人生うまくはいかないもの。だから楽しまなきゃ。ゆっくりした時間の流れ。フランスの良さが描かれています。
原題は「祭りの日」、郵便配達人フランソワの祭りの日の一日の物語。テント小屋で上映された、大げさに演出されたアメリカ式郵便配達の映画をみて村中で彼をからかいます。
出演者は興行師の二人は役者ですが、あとは撮影のスタッフと地元の村人です。話のふしめに出てくるお婆さんは男優さんです。
カラー版ときいてハリウッド式に簡単に着色したのかと思いましたが、そうではありません。そもそもフランス映画初のカラー映画として製作されていました。当時の技術が不十分でフィルムを複製できないことがわかり、モノクロで撮っていたフィルムでの公開となりました。カラー版のフィルムはそのまま保管されていましたが、タチの娘さんのはたらきで当時の色がよみがえりました。地味な色彩の村がお祭りで彩られていくのが印象的です。さりげない音楽にもこだわりが感じられます。
戦争の終わった開放感、アメリカへの憧れと異文化への警戒感。
ラストで祭りは次の街へと移動していきます。子供がスキップしながらトラックに積まれた木馬を追いかけるシーンで終わります。
ロケはパリから二時間ほどのフランスまんなかのサント・セヴェール村。50年以上経った今でも出演された方がそのまま住んでいます。
名脇役の自転車は1911年製プジョーで当時でも古く珍しかったため、プジョーの博物館入りしました。自転車と引き換えにタチがもらったのは自動車のプジョー203でした。
短編を除けばたった六本の作品しか残さなかったタチ。ほかの作品ももう一度、観てみたくなりました。