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<ネタバレ>ウィリアム・〝サディスト〟・フリードキンが「エクソシスト」より前に撮った作品。
究極のナンセンス、ナンセンスを究めた怪作・奇作です。
なにがナンセンスかというともちろん、数々の犠牲を引き起こしたドイルの執念がほとんど実っていないまま終わるということ。意味なし。無駄の極地。無意味を追求することでシュールな美を目指します。
ドイルの執念がつのればつのるほど、文化的な生活からは遠ざかり(一方の悪党はレストランで豪華ディナー)、周囲の者が犠牲になり、そして成果はほとんど出ない。なんてナンセンス。
なにかフランス人の悪党のほうがマトモであって、ブルドーザーのように周囲を巻き込むドイルのほうがおかしいように思えてきてフリードキンの狙いどおり。
〝追うこと〟そのものが目的と化したドイルの異常さが、最終的に同僚を射殺しても動じず追い続けるドイルに示されています。
クレジットに「現実の人物に似ているところがあったとしてもそれは完全に偶然であります。」という断り書きが、や~けに重々しい英語を使って書かれているのですが、そのわざとらしさに笑っちゃいます。こんなにドイルを異常者にしておいて、そんなことちびっと書いといたからって許されるのかなあ。ははは。
でも続編が作られたということは、ドイルのモデルとなった刑事さんは怒ってないってことよね。有名になれたら御の字ってとこかなあ。
ハックマンってあのアゴに傲慢さや暴力的なものを感じるのですが、そのへんがドイルにぴったりでした。
大スターたちすんごい走らされていますね。寒いとこで何テイクもさせたんでしょうね。サディスト・フリードキンここにあり。役者さんたちはご苦労さまでした。