<ネタバレ>この映画は、あるセリフを言わせるためだけにつくられたように思 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この映画は、あるセリフを言わせるためだけにつくられたように思えた。
「君のその健康な体をみろ、誰のおかげだと思う」という一言だ。もちろんこれは最後にならないと出てこない。ヒトラーが、優性生殖にはげんだ結果、多くの恩恵をもたらした、と言っているのだ。「それを100パーセント否定できますか」と言っているのだ。なんだか、旧日本軍の大陸侵略の言い訳にも似ている気がする。井沢元彦とかが力説しているような。
優性生殖の恩恵とはなんだろうか。それは、ドイツの人びとが、よく知っていることだろう。「劣性」のものを排除することである。そうすると、「優性」の人たちの足をひっぱるものが少なくなるということである。「その結果ドイツはどうなったか、みんなよくわかってるけど決して言わないだけじゃないか」と、指摘しているのだ。
ドイツ人がこのことについて、黙して語らないのかと思うと、恐ろしい気がする。決して語れないことであるから。心臓にひびく映画。