<ネタバレ>15分程度で観客の心に何かを残すにはどうする。競作なので、各 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>15分程度で観客の心に何かを残すにはどうする。競作なので、各作り手はいろいろ趣向をこらしています。
「けん玉」、両手包丁で肉を叩いてミンチを作る。一心不乱な篠原涼子の表情もなんとなくこわい。見ているほうの頭には〝危〟の字が浮かぶ。これと、山崎まさよしという役者でないボケキャラを絡ませたことで、大した話じゃないのになんともいえぬ味わいが出た。インテリアも個性的でかわいい。ちゃんとオチをつけていながら、プロットで凝りすぎず自然に仕上げたところが勝利。
「JUSTICE」、これって、行定監督が、西洋的な論理的思考様式(文字や言葉を信頼する文化というもの)に対してケツをまくって見せたもしくはおもいっきり舌を出したと思っていいのだろうか。たぶん、それでいいんだろう。なんたって、キンパツで蝶ネクタイのセンセが、「ポツダム宣言」を「読んでやっている」んだぜ。ポツダム宣言だよポツダム宣言!負けの込んだ日本人の知らないところでパイの取り合いをし、「今後はこうするべき」「ああするべき」そして「もしこれをしなかった場合は」「もしも最悪の事態になった場合は」ほとんど、自分の知らないうちに勝手に結ばれた結婚契約書?…ポツダム宣言に対して〝ブルマー〟で返すというのは、なんていうか、やっぱり「文字や言葉を信頼する文化」に対するアンチ、揶揄、「キミたちとはステージが違うのよ」って感じだな。ボクシングに対して寝技で立ち向かう、というような。…たぶん外人(とくに西洋人)に見せたら、作り手の意図はすぐバレるフィルムなんだろうが、ブルマーばかりが注目されて、そこんところが無視されてしまっているのでは、とちょっと気がかりだ。私自身は、「ポツダム宣言的な文化」に対して舌を出したいかというと…保留。
エンディングのワケわからん激しい曲も、ケムにまいた感を出してうまくマッチしている。あっほかの作品のことはどうでもいいや。