悪魔儀式をテーマにしているが、ポランスキー自身の夢の世界とも .. >(続きを読む)
悪魔儀式をテーマにしているが、ポランスキー自身の夢の世界ともいえるかな。米国へ一生入国できないポランスキーという立場を思うと、コルソがポランスキーの分身だろうね。NYからバルカンの依頼で欧州中東各地を旅し、ポランスキー好みの美女と出会い、ミステリアスな関係が徐々に出来上がっていき、最後には夢の世界へ消えていく。映像美、デップらしい味わい。コルソのファッションにも注目だ。紺色のソフトスーツ、旅行バッグはスーツケースなどといった無粋なものではなく、欧州の軍用よれよれ布袋。いつも提げて本を持ち歩くのに使っているショルダーはおそらく仏軍あたりの弾薬バッグ。それをどさっと置いたり。しわくちゃのタバコを吸い、バーでの支払いはしわくちゃの紙幣。酒はウイスキーのストレートかロック。行きつけのホテルを持ち、コンシェルジュとコネを持ち、チップで意のままにコンシェルジュを使う。だが、2枚目007のボンドと違うのは地味であり、恰好つけていないところ。それでも、この男、隙はなく有能。まさに男にとって理想とするようなキャラではないだろうか。そういう目でもう一度映画を見るといい。 さらに、DVDでポランスキー自身の解説が聞けるのだが、様々な場面で特撮というかSFXのような手法を多用していたことに驚かされた。また、ポランスキー自身の映画観がわかって興味深い。