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<ネタバレ>この映画は、どうしても普通にハッピーエンドではないと分かって鑑賞してしまいます。だからカビリアが喜々として家財を整理しているシーンあたりでも幸せそうに見えず、嫌な胸騒ぎを感じるのです。そして持参金を持って喜び勇んで現われたカビリアに対し、オスカーの曇った表情と流れ落ちる汗が不幸な結末を観る側に確信させ、後はどんな不幸な終わり方になるのかという絶望へと誘われていくのみ!と諦めつつ鑑賞してしまいます。ただし鑑賞後、逆にこれは何という後味のいい映画なんだろうと思わせるのです。それはやはり特筆すべきラストシーンが本当に素晴らしいからで、純粋なこの魂一つ、この魂のみが希望への道しるべと謳いあげます。何とも力強い生きる力と喜びさえ感じてしまいます。それにしても、この映画もジュリエッタ・マシーナだからここまでの傑作になったと思えるほど、圧倒的な表現力でした。